ムエタイちゃんねる

「ムエタイ」の魅力を日本に伝えるチャンネルです。

芸術的な立ち技競技「MuayThai」昨今の日本には本場タイのリングで活躍する選手が多数おり、以前では考えられなかった本格ムエタイでタイのトップランカーを圧倒する技術を身に着けています。

Rajadamnern Stadium、RWS(Rajadamnern World Series)、ONE Championship、タイ国プロムエタイ協会、WMC(世界ムエタイ評議会)、MUAYSIAM、WBC MuayThai、IPCC、WPMF、IMC、IBF、WMO、WMAなどなど、世界団体とつながり日本から世界への架け橋を渡る選手を応援しています。


ムエタイちゃんねる

ムエタイに魅せられて 文・中川 夏生
(※2023.11.26 Amazing Muaythai,Road to Rajadamnern
× Shimizu presents BOM 45 @大さん橋ホール パンフレット記事 抜粋)

今回はムエタイ界の八百長行為について書いていきたいと思います。

ムエタイの八百長について今回は
①どの様に行われるのか?
②どの様なタイミングで八百長をもちかけられるのか?
③八百長をした選手の処罰は?
この3つについて書かせていただきます。

①どの様に行われるのか?
まず、八百長を行うのは選手なの?それともジムの会長なの?はたまた、プロモーターなの?
という疑問があると思いますが、正解は選手です。
選手は試合をしてファイトマネーをもらいます。ファイトマネーは勝っても負けても同額です。
ムエタイに対して志の低い選手は怪我をしたくない気持ちも手伝い同額ならと、わざと負ける選手がいます。
これが選手が個人的に行う八百長試合です。

②どの様なタイミングで八百長をもちかけられるのか?
ある試合の当日、選手が減量の為にランニングをしています。
そこに見知らぬ人がよってきて、『今日の試合負けてくれないか。負けてくれれば大金を渡す』と話をもちかけられるのです。
その、タイミングがトイレであったり、選手が1人になったタイミングを狙われるのです。ひとりの時を狙うのは、証拠を残さない為です。

③八百長をした選手の処罰は?
八百長試合をした選手は刑務所に入れられる場合もあります。
良くても無期限の試合出場禁止です。

ムエタイ関係者・特にギャンブラー達の目は非常に肥えています。八百長をすれば、その選手にはその後賭けないし、あの選手は八百長をやると噂になります。
噂が広がれば、レフェリーやジャッジもその様な目で見ます。
次の試合も八百長をするのでは?と…

何度も書いておりますが、ムエタイはギャンブルです。お金がかかるところには八百長行為がついて周ります。
八百長の判断は本当に難しいです。
なぜならばムエタイには『ドゥン』という行為があるからです。
「ドゥン」とは強い選手がワザとやられて掛け率を操作し、良い掛け率になってから本気で戦う行為です。

しかしこの行為はを八百長と判断されかねないし、ドゥンのつもりが調子を出せずにそのまま負けていくパターンもあります。

ギャンブラー達の目を誤魔化す事はとても困難なのです。

いつもの試合と明らかに違う動きをしている選手に対しては、場内から『フォー』という言葉が飛びます。フォーは八百長の意です。この声が会場からブーイングのようにおこるのです。
そうなればレフェリーもより慎重に試合をすすめて、おかしな動きや手抜きがないかを見極めます。
この様に八百長に対して非常に厳しいにも関わらず、選手は何故八百長に乗ってしまうのか。

選手も賭けの世界に属してる以上、身近なギャンブルにのめり込み、多額の借金を背負ってしまう事があります。その様な時に話を持ちかけられて落ちてしまう選手がいるのです。
一度疑惑の選手となれば、引退してトレーナーとしての職もなく、業界で生きて行く事すら困難になるというのに。

現在日本に住んでいる、レジェンドムエタイ選手・パコーン・P.Kセンチャイジムは
「僕は子供の頃から400回くらい試合をやってきました。10代の頃、何回か八百長を持ちかけられた事はあります。しかし、決して首を縦にふる事はありませんでした。
僕にはプライドがあります。
自分の会長や家族に僕の負ける姿を見せたくありません。
だから、僕はギャンブラーから人気があったんです。
決して、最後まで試合を諦めないと。
いつまでも、強い心を持ち戦いに挑みます」と話しておりました。

どの世界にも光と影があるのは世の常という事でしょう。

今回のお話はここまで。
また、次回をお楽しみに。


※ムエタイに於いての八百長に対する罰則は、1999年に制定されたムエスポーツ法に明確に定められており、八百長依頼者、実行した選手共に5年以下の禁固刑または10万バーツ以下の罰金、もしくはその両方と定められています。

2 years ago | [YT] | 24

ムエタイちゃんねる

ムエタイに魅せられて 文・中川 夏生
(※2023.8.6 Shimizu presents BOM 43 @大さん橋ホール パンフレット記事 抜粋)

今回のムエタイに魅せられては番外編としまして、『モンコン』について書いていきたいと思います。

私が[モンコン]について書こうと思ったきっかけはある日本人選手がモンコンを床に置いているのを目の当たりにしたからです。その行為を私が見た時に『ムエタイ文化』をもっと沢山の人に理解してもらわなくてはならないと思いました。

『えっ!ただ、[モンコン]を床に置いただけでしょ』と読者の皆様は思うかも知れません。

しかし[モンコン]とはムエタイ選手にとって、とても大切な物で、僧侶が書いた経文や呪文が記されています。仏像と同じように扱わなくてはならないと言われております。(お土産屋に売っている物などは、全く効果がなく僧侶に祈祷していただき、はじめてモンコンとして呪力を授かる)ですので[モンコン]はいつも頭の高さほどの位置に置かなくてはなりません。低いところにおくと呪力がなくなり、勝利の神様は降りてこないと考えられております。

昔は蛇からモンコンを作る事もありました。蛇を火で炙り、水に付けながら僧侶は呪文を唱え、勝利の神をモンコンに降臨させたと言われております。タイ人は古くから信仰心が篤く呪い(まじない)をとても大切にしております。

※ 「呪い」という漢字には「のろい」と「まじない」の2つの読み方があります。 「のろい」は恨んだり憎んだりする相手に災厄があるように、人間よりも目にみえない上位の存在(神仏や悪魔など)に祈ることです。

「まじない」は人間よりも上位の存在に災厄や病気を除いたり、運の変更を願うものです。ここでは全て『まじない』と読ませていただきます。

護符や入れ墨もまた呪いの一つです。なので護符や入れ墨を身に付けていれば、身体が丈夫になると信じられています。とても宗教的ではありますが大切な事だと私は思います。

誤解しないでほしいのですが宗教の正否の話しではありませんし、信仰は個々の自由です。ただ我々はタイの文化である[ムエタイ]の関係者であり競技者でもあります。

最近、様々な格闘技団体に沢山のタイ人トレーナーや選手が来日しております。来日したタイ人達が日本人がモンコンを床に置く姿を見てどのように思うのか?を考えてみて下さい。ある日本人選手がモンコンとパープラチアットを床に置いた時、私は本当に驚きました。その選手は有名なムエタイのチャンピオンでしたし、師はタイ人の先生でした。神様を信じる?信じない?それは個人の問題です。しかし、タイのムエタイ関係者達は神様の存在を信じています。その事に我々は敬意を払はなくてはならないし、日本人ムエタイ関係者の義務だと思います。

今月7月8日「スックムエデットサンウィアンドゥアッド」のメインイベントに出場したロットプアンが自分のリングネームであるロットプアン(รถพ่วง=トレーラーの意)の名前の通り、トレーラーのお面をつけて登場。ワイクルーまでもお面をつけて舞いました。

私が経営するジムトレーナーのクンドン氏はこの行為に対して激怒しておりました。クンドン氏は試合前から『ロットプアンは絶対に負ける。この人に神様は降りてこない』と話しておりました。

ロットプアンは負けました。次の日、ムエタイ新聞ではこの事が大きく取り上げられていました。確かに格闘技にとってエンターテイメント要素も大切です。しかし、伝統を守らなくてはならない義務もあります。


ナムサクノーイ氏はムエタイ選手に次の様なメッセージを書いております。

強くなりたい、上手くなりたいなら、毎日真剣に練習をしてください。そして、昨日の練習より今日の練習が1%でも良くなる努力をして下さい。

例えば、毎日のランニングをただこなすだけではなく、昨日より20秒でも10秒でも良いタイムを出すようにしてはいかがですか?苦しいからキツいからと言って、手を抜いたり、『早く終わらないかな』と思うような練習をしていたら強くなれません。

ムエタイはファッションではありません、本当に戦うことが好きな者がやるべきです。

鏡の中の、自分ばかり気にするものに、ムエタイの神様は微笑んでくれないでしょう、選手が鏡を見るのはシャドーの時だけではないのですか?
ただムエタイが好きなだけなら、試合なんかしないで他の道を選んだ方が良いでしょう、ムエタイに関わる仕事でもやったらどうですか?

相手を怖がってはいけません。勇気を持って立ち向かいなさい。あなたが怖がった時点で、勝つことができる可能性は限りなく低くなります。

私は300戦以上も戦ってきましたが、怖いと思ったのは、子供の頃の1戦だけです、相手は私よりも大きく強そうに見えましたが、勇気を出して闘い勝利しました。それからただの1回も怖いと思った事はありません。相手も、あなたと同じ人間です、鉄でできたロボットではありません。

もし、相手が怖いと思うなら、試合をしないで見るだけにした方が良いでしょう。あなたがムエタイで成功して、チャンピオンになったり、大金を稼げるようになっても、お世話になった人のことを忘れるような人間にはならないでください。


ムエタイは『感謝』の競技です。ファッションで『モンコン』をするなら、しない方が良いと私は思います。

もし、この文章を読んで1人でもムエタイの文化を愛してくれる人が増えたら幸いです。

2 years ago (edited) | [YT] | 29

ムエタイちゃんねる

ムエタイに魅せられて 文・中川 夏生
(※2023.7.9 Shimizu presents BOM 41・42 @Spotify O-EAST)

今回は【ONE】におけるムエタイについて書いていきたいと思います。

はじめに、【ONE】とは13年前にシンガポールで旗揚げされたアジア最大の格闘技団体の名称になります。MMA(総合格闘技)、キックボクシング、ムエタイ、グラップリング(打撃なしの格闘技)を中心に行なっています。

東南アジアや中国に市場を拡大し、今や米国に本拠地を置く総合格闘技の最高峰「UFC」と勢力を二分する存在ともいわれている団体です。
その【ONE】が今年からムエタイに力を入れ、【ONE LUMPINEE FRIDAY NIGHT】をスタートしました。

その名のとおり、タイ国二大殿堂スタジアムの一つ、ルンピニースタジアムにて毎週金曜日、夜20時から大会を開催しています。

ここで僕なりにONEムエタイと通常ムエタイのいくつかの相違点を箇条書きでご紹介します。

① 着用グローブはオープンフィンガーを使用する。[*写真]
② 通常ムエタイの5ラウンド制に対しONEムエタイでは3ラウンド制(タイトルマッチのみ5ラウンド)で試合が行われる。
③ ムエタイやボクシングの階級(体重)とは異なり、ONEの階級(MMA階級)が採用される。
また、減量の際の水抜きは禁止とされている。
④ 顔以外へのワセリン塗布は禁止、勿論タイオイルも禁止となる。(顔へのワセリンもONEのカットマンが塗布する)
⑤ 基本的にワイクルー(試合前に行われる感謝の舞)は行われない。
他にも判定基準、インターバルの違いなどもありますが、とりあえずここまでで話を進めます。

この様な新しい形のムエタイを確立したONEムエタイに対し、タイ国内の業界関係者らから批判の声が上がり始めたのです。

PAT(タイ国プロフェッショナル・ムエタイ・スポーツ協会)の副総裁ソンポン・ポンサワン氏は『ONEムエタイはムエタイではない。ムエタイの文化を破壊している』『ムエタイの持つ、美しさ(シンラパムエタイ)がなく、ただの野蛮な殴り合いだ』と批判し、『Law of Muay Sport(ムエスポーツ法)に従っていないのでムエタイというワードを使用させない』とまで話しています。

また、オープンフィンガーグローブの着用、ワセリンやタイオイルの使用制限により怪我人が多数出ており、試合への欠場が多くなっているとも。

しかし一方で、タワンチャイやプラジャンチャイ、ムアンタイなどが所属するP.KセンチャイジムはSNSで『我々はONEと一緒の船に乗っている。ONEは選手達の生活を裕福にかえる素晴らしい団体だ』と投稿し、ONEムエタイを擁護しているプロモーターやジム代表もいます。

確かにONEはファイトマネーが高いだけではなく、良い試合をすればパフォーマンスボーナスも稼ぐ事ができます。選手やジム会長、プロモーターにとってはとても魅力的でしょう。事実ロッタンやタワンチャイ、そしてスタンプのようにONEに出場し貧困から脱出し人生を好転させた選手達がそれを証明しています。

従来のムエタイのファイトマネーは、新型コロナウィルスの影響もあり激減しています。ムエタイ興行がストップしてた事もあり、引退した選手も少なくありません。興行が開催されなければジムへの収入はありません。選手達の生活費すら払えなくなります。日本と違いムエタイ選手は職業です。バイトをやりながら試合に出場する選手はいません。(学校に通いながらの若いムエタイ選手はいます)

そこには、国、文化、経済、貧富、政治、宗教など我々日本人には理解する事が難しい問題があるように思います。現在、タイではギャンブルとしてのムエタイも減少傾向にあります。昔は女人禁制だったスタジアムのリングに女子選手達も上がれる時代がきています。演出も段々と華やかになり、YouTubeやSNSを通じて世界各国でタイの試合を生放送で観戦する事が出来る時代となりました。

ムエタイという文化・競技の変革期がきている事を感じさせます。これから先、文化としてのムエタイはその色を失っていくのか。ギャンブル独特の興奮はなくなり、クリーンなオリンピック競技になるのか。など今後ムエタイがどのような変化を遂げていくのか興味を持って静観したい。一ムエタイファンとして変遷していく時代の流れをこの身にしっかりと感じ、これからも沢山の勉強をして、ムエタイの歴史を後世に伝えていくのが我々外国人プロモーターの役目だと私は思っています。

ペッティンディーグループのシア・ボート氏は『ムエタイという競技を外国のものにしてはならない、ムエタイをタイから離れさせてはならない』と訴えています。
素晴らしい言葉です。

僕が初めてラジャダムナンスタジアムでムエタイを観戦した時、スタジアムの独特な雰囲気と熱気でタイムスリップしたかの様に思えました。あの時の感動は30年近くたった今でもはっきりと記憶に残っております。

私は今後もムエタイに敬意をはらい、タイの文化に貢献出来るように精進してまいります。

最後に私はムエタイを心より愛しています。

2 years ago (edited) | [YT] | 126

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ムエタイに魅せられて 文・中川 夏生
(※2023.5.14 Shimizu presents BOM 40 @アクロス福岡 パンフレット記事 抜粋)

今回の【ムエタイに魅せられて】ではチャンピオンベルトの格式について書いていきたいと思います。

昨今、世界中に様々なチャンピオンベルトが存在しております。1つの国に何種ものチャンピオンベルトが存在し、それと並行して様々な格闘技団体が現存しています。

今回はムエタイのチャンピオンベルトの事だけについて、少しだけ書かせていただきます。

まず、ムエタイ界で(ここでは、敢えてムエタイルールという言葉は使いません。ムエタイはタイの国技です。私達、日本人も相撲ルールとは決して言わないのと同様です)もっとも権威と歴史のあるチャンピオンベルトは『ラジャダムナンスタジアム』と「ルンピニースタジアム」のベルトだと思います。

現在でもラジャダムナンスタジアム認定のタイトルマッチの時には、スタジアム内にいるギャンブラー達の賭ける額がとんでもない金額にまで膨れ上がっています、その盛り上りは日本格闘技界では考えられないほどのものです。
一方、ルンピニースタジアムでは新型コロナウィルスの影響もあり、現在はムエタイの試合よりもONEの試合のほうが注目視されております。

この両スタジアムの事を我々は敬意を持ち二大殿堂スタジアムと呼んでいます。先に書きましたが、このスタジアムのベルトがムエタイ界でもっとも権威のあるチャンピオンベルトです。

今回は皆様に分かりやすくベルトの価値をクラス分けさせていただきたいと思います。このクラス分けには格式や権威、歴史、獲得の難しさなどを含んでおります。

上から順にSS→S→A→B→C→Dとさせていただきます。

まずラジャダムナンスタジアム・ルンピニースタジアムのベルトのクラスは最高のSSとさせていただきます。

そして忘れてはならないもう一つSSは、タイ国プロムエタイ協会(PROFESSIONAL BOXING ASSOCIATION OF THAILAND)/P.A.T(タイ語名:サマーコム・キラームエアーチープ・ヘーンプラテートタイ)のベルトです。
この3つのベルトのどれかを獲得すれば必ずタイのムエタイ情報誌にも取り上げられます。日本人に分かりやすく説明させていただくと相撲界で外国人力士が横綱になるという感じでしょうか。

次にSクラスのベルトを箇条書きさせていただきます。

① タイ国スポーツ局認定団体 のWMC(世界ムエタイ評議会)のベルト

② PAT[タイ国スポーツ協会]を母体にムエタイ世界組織として2004年2月に立ち上げられたタイ国認定のムエタイ世界組織、WPMF(世界プロムエタイ協会)のベルト
③ IMSA(国際ムエタイスポーツ協会=International Muaythai Sport Association)のベルト

④ タイの地上波TV【チャンネル3】別名(オムノーイスタジアムとも言います)のベルト

⑤ こちらもタイの地上波TV【チャンネル7】のベルト

⑥ 最後も同様に地上波TV【True4U】のベルト
この6つのベルトも、とても権威が高いものです。また、WMC・WPMFのタイトルマッチにはタイ国スポーツ庁の許可が必要となります。TVチャンネルのタイトルマッチ関してはそもそも、タイで認められている選手しか出場できません。

以上がSクラスになります。

続いてAクラスのベルトになります。

① WBCムエタイ世界王者のベルト(ボクシングのWBCがタイの国技であるムエタイの伝統・技術を継承しつつ、競技スポーツとして確立することにより世界的な普及を図ることを目的とした団体のベルト)

② IBFムエタイ世界王者のベルト(ボクシングのIBF =国際ボクシング連盟のムエタイ部門のベルト)

③ WMO世界王者のベルト(世界ムエタイ機構) タイの文化省に登録されているクル ムエ タイ協会 (KMA)に認定されている組織
この3団体がAクラスとなります。
以上Aクラスまでがタイ国のムエタイ関係者に認められている、主要ムエタイのチャンピオンとなります。
続いてBクラスになります。

・IMCインターナショナルのベルト(国際ムエタイ評議会)

・IPCC世界のベルト(国際プロ格闘技評議会)
このBクラスのタイトルはまだ、歴史が浅く、これから伸びていく団体だと考えられます。この2つの団体はともに中東資本が入っておりますので資本力がとても強い団体です。今後が楽しみです。

Cクラスのベルトは、各団体のインターナショナルやインターコンチネンタルのベルトになります。

最後にDクラスは各団体の各国のベルトになります。わが国で言えば日本チャンピオンの事です。

ここまで読んでいただくとBクラス以下のチャンピオンベルトには価値がないのでは?と思われる方がいるかもしれません。しかし、それは全く違います。
Dクラス、CクラスのチャンピオンにならなければAクラス、Sクラスへの門は決して開かれないのです。
登山と同じで1合目から登らないと、頂上には辿り着けません。
また今現在の権威や歴史が浅くとも、その団体の長の志が高く、未来への道筋がしっかりと用意されていれば、先々、世界中に広がっていく可能性があります。

【ONE】が良い例えではないでしょうか。最初はシンガポールでスタートした団体が今はアジア最大の格闘技団体になり、世界中の格闘家が夢を見る事のできる団体に成長するのです。私から見ると、ONE CEOのチャトリ氏の熱量は凄まじいものがあり、とても勉強になります。

本日もここ福岡で幾つかのタイトルマッチがおこなわれます。

今はCクラス、DクラスかもしれませんがIMCはムエタイのメジャースタジアムでタイトルマッチが認定されたり、IPCCは3年後にタイで世界大会を行う予定です。

各選手がチャンピオンになった後、その団体の価値を上げていく事がもっとも大切であり、SSクラスへの近道ではないでしょうか?

私は『BOM』からSSクラスへの道を切り拓いていきます。

勿論、チャンピオンベルトの価値については個人の考えがあると思います。今回記載した事は私個人のベルトの価値ですので、ご了承下さい。

3 years ago | [YT] | 30

ムエタイちゃんねる

ムエタイに魅せられて 文・中川 夏生
(※2023.4.9 ROAD TO ONE JAPAN & Shimizu presents BOM OUROBOROS 2023 @大田区総合体育館 パンフレット記事 抜粋)

今回のムエタイに魅せられてでは、ムエタイの試合での反則という部分に触れていきたいと思います。

肘あり、首相撲ありのムエタイでも当たり前ですがルールはあり、勿論反則行為もあります。しかし日本のキックボクシング(肘あり、肘なし両方とも)の反則の概念とは大きく異なります。
日本の試合でもっとも多い反則は金的への攻撃だと思います。試合中に金的部へ攻撃があたり、レフェリーがタイムストップをコール、金的攻撃にてダメージを受けた選手の回復を待つという場面がよく見受けられます。

しかし、この様な状況はタイのムエタイの試合においては、まず見ることはないでしょう。日本人、タイ人ともに選手達は鉄製のファールカップを装着し、対戦相手の攻撃によりズレないようキツく縛ってあります。本場のムエタイでは『ファールカップをしているんだから大丈夫でしょ』という考え方が一般的です。ですので、タイ人選手は前蹴りで金的の近くをわざと狙ったり、下腹部や鼠蹊部など筋肉が薄いところを攻撃します。
ファールカップのギリギリの部分に攻撃をするのです。
また、その攻撃を防御するのもムエタイのテクニックのひとつと考えられてます。日本のキックボクシングの試合で、金的部に少し攻撃があたり、選手がうずくまる様な事をしたらタイの試合ではダウンをとられます。また、日本で試合中に出されるイエローカードやレッドカードなどは本場のムエタイでは存在しません。

読者の皆様もそういう事なら『金的を狙えば良いじゃないか』と思う方もいらっしゃると思います。しかし、もし金的攻撃を故意に行い、金的を受けた側がそのダメージにより試合続行不可能になった場合には金的への攻撃を故意に行なった選手が反則負けになる場合があります。(※その匙加減がタイ人選手はとても器用なのです)

最近、タイの[チェンネル7]の興行で試合を完全に支配をしていた選手が、4ラウンドに首相撲の展開から明らかに金的を狙った膝蹴りをだし、金的攻撃を受けた選手は試合続行不可能となりました。試合結果は大差のリードをしていたにも関わらず金的攻撃を出した選手の反則負けという結果に。また、この時サッカーなどで行われるVAR[ビデオ・アシスタント・レフェリー※ビデオ映像での確認]まで行われました。

以前にもご紹介しましたがムエタイは賭けの対象でもあるので、大金が動きます。そのギャンブラー達を納得させなくてはなりません。あまりにも度が過ぎる金的攻撃は反則となります。しかし、ムエタイ関係者は『格闘技なんだから少々の痛みは耐えなさい』という考え方が根底にはあるのです。

ここからは僕自身がタイのレフェリーやプロモーターの話を聞いて思った私見です。何故、金的攻撃で日本とタイとではここまで違うのかを考えました。

そこには採点基準が大きく影響しているのだと私は思います。日本のキックボクシングのルールブックなどを見てみると採点基準は攻撃の部分しか書いておりません。普通に考えて、野球でもサッカーにもスポーツには、オフェンスもあればディフェンスもあります。日本のキックボクシングはあまりにもオフェンスばかりを重視している様に私には思えるのです。ディフェンスで相手をコントロールするのもとても大切な技術なのです。タイ人選手は相手の蹴りや膝の攻撃を自分の足でカット(ブロック)をします。実はカットをされると蹴った側の選手の方が痛いのです。痛い=ダメージなのです。だからタイ人選手はとてもカットを重視します。

タイの試合で、カットをしないでがむしゃらに攻撃にいくと、カットが出来ない=相手の攻撃が見えていないと採点されます。
次にやはりムエタイの根底にはシンラパムエタイ(ムエタイの芸術)があるのです。ムエタイは世界で最も完成された格闘技であり、動きの一つ一つが芸術として捉えられる側面があります。その美しさも判定基準にある為、攻撃も防御も美しさが大切にされるのです。

もう少し反則事項について書こうと思いましたが、金的の反則だけで長くなってしまったので、次の機会に、他の反則についても書かせていただきます。

ここまで読んでいただき有難う御座います。

3 years ago | [YT] | 19

ムエタイちゃんねる

首相撲で選手たちが何をやっているのかわかるとムエタイがもっと楽しく見れます♪
石井一成選手と吉成名高選手がわかりやすく解説している動画を紹介します。

3 years ago | [YT] | 8

ムエタイちゃんねる

ムエタイに魅せられて 文・中川 夏生
(※2022.12.11 ROAD TO ONE JAPAN & Shimizu presents BOM 37 @横浜大さん橋ホール パンフレット記事 抜粋)

今回のムエタイに魅せられては、ムエタイと宗教の繋がりについて話ていきたいと思います。

まず皆さまは日本人の宗教信仰の割合をご存知でしょうか?
NHKの調査によると2018年の日本人の宗教割合は仏教31% 神道3% キリスト教1% その他1% 無回答2% 無宗教62%という結果が出たといいます。
では、日本人とタイ人との宗教信仰割合を比較してみますと、タイ人は仏教94.5% イスラム教4.3% キリスト教1% 残りはヒンドゥー教などの宗教となっております。
この様にタイ国民の殆どが仏教を信仰しています。なのでムエタイの選手達も殆どが仏教徒という事になります。※タイの仏教(南方上座仏教)と日本の仏教(大乗仏教)は異なるものですがここでは省略させていただきます。また、タイでは国民に宗教の自由を与えておりますが、それでも国民の約95%が仏教徒なのです。

それでは本題に入っていきます。

伝統ムエタイの根本にはタイ仏教の教えがあります。以前の【ムエタイに魅せられて】で書きました、ワイクルー[感謝の舞]もその一つの儀式です。代表的な舞には意味するものがあります。
私はタイの先生から[慈悲喜捨]を舞によって表していると聞きました。

慈=慈愛 慈しみの心を持つ事
悲=悲しみ 他人の悲しみを求愛する心
喜=人の喜びを見て喜ぶ事
捨=中立の意味 不偏(偏らないという意味)

また、ムエタイ選手が頭にしている【モンコン】は布などで作られており、その布には僧が書いたお経や呪文が記されています。格闘技ショップやお土産屋でもモンコンが売っていますが、この時点ではただの布です。僧侶が祈祷をして初めて呪力を持ちます。

この他にもプラチアット(ムエタイ選手がしている腕輪)も布でできており、モンコンと同様に僧侶が祈祷をあげて意味を持つものになります。パーヤンという経文の書かれた布をプラチアットにする選手も多いです。

また最近、日本人選手も首から下げているプルクルアンもお守りの一つです。プルクルアンの中には僧侶の髪の毛や法衣の布などが入っているものがあります。
日本円で数千万円の価値を持つプルクルアンもあります。

この様にタイ人は信仰心にとても篤いですし、ムエタイ選手の信仰を大切にする気持ちは我々、日本人には想像ができない部分もあります。

タイのお寺で刺青(入れ墨)を入れる選手も少なくありません。刺青までもがお守り(まじない)の一つになっております。

ムエタイの試合が大怪我につながる命がけの[闘い]に直結しているのもその理由の一つかもしれません。

どうですか、ムエタイって素晴らしくないですか!

家族を養っていく為に戦うムエタイ選手が師匠や両親、神、大地、国に感謝の心を持って試合(仕事)をするのです。

最近の日本格闘技界は対戦相手を罵る事や試合前に取っ組み合いの喧嘩をする事が流行っています。
それをやらせているプロモーターや格闘技団体に僕は魅力を全く感じません。
自分の闘志を抑えられない選手をプロだと思えません。
BOMも皆様に感謝の気持ちを持っていける団体になれるように精進していきます!

3 years ago | [YT] | 24

ムエタイちゃんねる

ムエタイに魅せられて 文・中川 夏生
(※2022.9.23 Shimizu presents BOM OUROBOROS 2022 @大田区総合体育館大会 パンフレット記事 抜粋)


変わりゆくムエタイ

今回の「ムエタイに魅せられて」はムエタイの聖地[ラジャダムナンスタジアム]について書いていきたいと思います。タイ語での正式名称は[ウェーティー・ムアイ・ラーチャダムヌン]と言います。先に私がこの文章書いてるのは8月20日(土曜)である事を書いておきます。

【ラジャダムナン・ワールドシリーズ】
2022年7月22日にRWS[ラジャダムナン・ワールドシリーズ]という新イベントがムエタイの聖地ラジャダムナンスタジアムにて開催されました。

【RWSはラジャダムナンスタジアムの運営をサポートするGSV社(グローバルスポーツベンチャー社)が展開】
RWSは本来のムエタイとルールや形式も異なりす。現在、発表された事を並べてみました。
・3ヶ月に渡り126ポンド(フェザー級)、135ポンド(ライト級)、147ポンド(ウエルター級)、154ポンド(スーパーウエルター級)の4階級でリーグ戦が行われる
・各階級ともにタイ人4名、外国人4名の計8名で行われる(日本人は出場なし)
・各階級ともに約1ヶ月に1試合行われる。(2022年10月21日が現在発表されているリーグ戦の最終日)
・試合は3分3ラウンド制(ムエタイは3分5ラウンド)
・各ラウンドマスト判定(10-10イーブンは無し必ず優劣をつける)
・各ラウンド毎に採点を発表するオープンスコアシステムを採用
・通常より狭い6m四方のリングを使用
・優勝賞金100万バーツ(約375万円)
というものです。また、月に1回[KAT PRESENTS LEGEND OF RAJADAMNERN]というビッグマッチを開催するといいます。

ラジャダムナンスタジアムは1941年にピープン首相の号令により建設が開始されました。

『ムエタイをタイにおける、一つの文化的遺産として後世に残す事とタイが国際化していく中で、外国人や若いタイ国民に誇れるタイ文化を示していこう』という目的があったといいます。

ピープン首相はとても愛国心の強い人物で『男は国家の垣根であり、女は国家の花である』というスローガンを提唱したと聞きます。

彼によって作られたラジャダムナンスタジアムは女性がリングに上がることは出来ませんでした。
そして、1945年にラジャダムナンスタジアムが完成しました。当時は屋根などがなく日本でいう草野球のスタジアムの様な作りでした。

その後、時代を得て現在のスタジアムの形となっていったのです。

さきに書いたRWSとスタジアム設立時の目的は大きく異なりました。

新型コロナウィルスの影響やムエタイ経済の影響など様々な問題があるのは分かりますが、私はRWSや現在のスポットライトなどが光る(しかしながらかなり安っぽい照明や演出)ラジャダムナンスタジアムを見てとても悲しい気持ちになりました。

これはあくまでも、私個人の意見でありますが、私が大好きなラジャダムナンスタジアムは選手の髪の毛は短く(金髪に染めるのは禁止)、髭も禁止、セコンドは長いズボンを履き(短パンは禁止)、タイ国家に敬意を持った厳格なスタジアムでした。

ムエタイはタイ仏教ととても密接な関係にあります。

皆様の中にもタイ人のムエタイ選手がリングに上がる前、膝をつけてお祈りしているところを見た事がある方もいらっしゃると思います。

この時、選手は
 『 仏よ お守り下さい 』
 『 法よ お守り下さい 』
 『 僧よ お守り下さい 』
と唱えています。

そして、リングの中ではワイクルーすなわち【感謝の舞】を踊るのです。

私はそこまで宗教的な信仰心が強いわけでもありませんが、この『敬意』と『感謝』の心を持つムエタイが大好きですし、初めてムエタイにふれた時の幻想的でタイムスリップしたかの様ななんとも言えない感覚は今でも忘れられません。

私が運営しているジムに通う子供達にも両親や師や地球(大地)に感謝の気持ちを持ってほしいと思いムエタイの勉強をしはじめました。

勿論、スポーツマンシップに則った格闘技も沢山ありますが、悲しい事に試合前に相手を罵ったり、『殺してやる』などと煽ったりする格闘技団体も沢山あります。

格闘技を習う時の最初の入り口が、『相手を叩きのめす』という気持ちになるのはしょうがないと思います。しかし、選手になる過程でムエタイという文化にふれて『感謝』と『伝統』を感じて人間的にも強くなっていければ、素晴らしいと思いませんか。

この先、ムエタイがどのように変わってゆくのかは分かりませんが、ムエタイの素晴らしい文化を継承してほしいという思いを込めて今回の【ムエタイに魅せられて】を書きました。

前回のBOMの時に認定員として来日した、ラジャダムナンスタジアムの元プロモーター、オートゥー氏(74歳)と食事をしました。

いつもはとても厳しい顔のオートゥー氏の顔が昔のラジャダムナンスタジアムの話しをしている時、少年のような顔になっていて、聞いてるこっちも嬉しくなりました。

最後になりましたがBOMがムエタイの文化を少しでも広められたら、幸いです。

3 years ago (edited) | [YT] | 18

ムエタイちゃんねる

ムエタイに魅せられて 番外編 文・中川 夏生
(※2022.4.24 BOM WAVE08 @大分大会 パンフレット記事 抜粋)

ムエタイとは
一説によると、日本と違い大陸続きの国・タイ王国が関わった戦争や白兵戦の中で様々な民族の戦闘術と関わりながら、徐々に発展していった素手素足の格闘技術がムエタイの原型になっていると伝わっています。
シャム(タイ王国の旧名)がミャンマーの属領とされていた1584年頃、アユタヤ王朝(現タイの中部アユタヤを中心に展開したタイ族による王朝)のナーレスワン大王がミャンマーのタウングー王朝との戦争に勝って独立をした。この独立戦争時に古式ムエタイが大きな役割を果たしたと『チュー・バサート』(1500年くらいの本で刀や槍の術に加え手足を武器にして闘う方法が記載されている文献・戦勝論)は記している。これが事実なら、少なくともムエタイは400年以上の歴史があることになります。1766年、ビルマ(現ミャンマー)コンバウン王朝(ビルマがミャンマーに変わる前の最後の王朝)の3代目・シンビューシン王がアユタヤ王朝の首都アユタヤを陥落させた。この時、伝説的ムエタイの戦士ナーイ・カノム・トムは、ビルマ軍との戦いで囚人捕虜となった。過酷な格闘に生き延び、ミャンマー拳法家10人を打ち負かした、ナーイ・カノム・トムはシャム族を開放し自由を与えたという。この伝説によりナイ・カノムトムはムエタイの偉大な父として広く尊敬を集める存在となり、決戦が行われた地・アユタヤには像が立てられ今でも毎年3月17日をムエタイの日としてナイ・カノムトムに敬意を払う式典、「ワールド・ワイクルー・ムエタイ・セレモニー」などが行われている。

ムエタイの近代化
タイを近代化させた名君として名高いラーマ5世は、ムエタイの価値を認めて振興に力を入れ、積極的にトーナメントを開催させた。また、体育教師の訓練学校や、軍の士官学校のカリキュラムにムエタイが取り入れられた。
その他にもラーマ5世は公然と行われていた奴隷売買を長年にかけて廃止したり、バンコクからナーコンラーチャシマーまで列車を通すなど近代化をすすめた名君と言われている。
そして、ラーマ6世の治世下の1921年には、タイで最初の常設スタジアムが完成した。当時の選手は手に木綿布を巻いているだけであったり、試合時間もバケツにくまれた水の上に、穴のあいた皿を浮かばせて計測するなど過酷な闘いであった。
次のラーマ7世の治世下では、選手の死亡事故が起きたことを受け、1929年にグローブの着用が義務づけられるようになった。さらにこの時期に公式ルールやレフリーも導入された。こうしてムエタイはスポーツとして体系化されていった。また、1920年代に「ムエタイ」という名称が広く使われるようになったと言われる。
ちなみに現在のタイ国王はラーマ10世である。

3 years ago | [YT] | 9

ムエタイちゃんねる

ムエタイに魅せられて Vol.7 文・中川 夏生
(※2019.12.8 BOM SeasonⅡ vol.6 パンフレット記事 抜粋)

【マンジャイ】と【チンダム】
ムエタイという競技を観戦するにあたり知っておかなければならないのが、マンジャイとチンダムです。前号まで何度も書かせていただいておりますが、ムエタイはギャンブルです。そのルールは掛け率や選手の状態など、とても奥深いものがあります。今回はムエタイに於ける最終ラウンドの見方について書いていきます。

ムエタイの試合では主に3、4Rの攻防が判定での勝敗を分けると言ってもよいほどで、4R終了時点の掛け率で勝敗が決まると言っても過言ではありません。

この掛け率に大差があると、5R開始時点で負けている方の選手は相手をダウンさせるか、KO勝ちを狙いにいくしか道はありません。5R開始のゴングから約1分30秒(ムエタイの1Rは3分)程パンチでの攻撃を主体にして果敢にKOを狙い攻めていきます。勝っている方の選手は相手の攻撃をもらわない様にディフェンスします。プロのムエタイファイターがディフェンスだけに徹したらそう簡単には倒せません。この最後の3分間、相手の攻撃をもらわないようにし、勝利を確信し流すことを【マンジャイ】といいます。負けている方の選手も残り1分弱になるとこれ以上戦ってもしょうがないと思い、相手に敬意を表し試合終了のゴングを待ちます。【マンジャイ】とはタイ語で[自信がある・確信がある]という意味です。マンジャイを行うという事は要するに自分は勝っているという自信があるという訳です。

逆に4R終了時、掛け率があまり離れていないと、【チンダム】という戦いに入ります。【チンダム】は5R(最終ラウンド)に両雄が相手より手数やクリーンヒットで試合を優勢に持ち込んだり、首相撲からの転かしなどを狙っていき、ギャンブラーの掛け率を自分側にもっていこうとすることです。

この攻防も2分ほど続くとやはり【マンジャイ】に入ります。この時に両選手が【マンジャイ】に入る場合もあります。お互いに自分の勝利を確信しているのです。勝敗は判定の結果が出るまで分かりません。この間観衆からは『赤の勝ちだ!』『いやいや、赤は逃げてばかりいるから青の勝ちだ!』などの大歓声が湧くのです。こうしてムエタイのギャンブルが最高潮に盛り上がっていくのです。

この【マンジャイ】が我々日本人を含め、タイ人以外の外国人にはあまり理解が出来ないのです。

勝ってる選手ならまだしも、『なんで、負けているのにいかないのだ!』とか『最後まで諦めるな!』等です。もちろん、その気持ちは分かります。しかし、先程も書きましたが、プロファイターが一度ディフェンスだけに徹したら、90%以上の確率で倒されません。まして、最終ラウンドまで必死に戦ってきて身体は痛みと疲れのピークです。それなら、今回の試合は『相手に敬意を表し、潔く負けを認め次の試合に備えよう』となるのです。

よく日本人などは勝っている選手に対して『倒しにいけ!』などという人もいます。なぜ勝っているのに倒しに行かなくてはならないのか。それこそ倒しにいった結果、逆にKOされたとなれば、ギャンブラーからもの凄く責められることは言うまでもありません。文化の違いを感じますね。

ただ、よく考えてみて下さい。サッカーだって勝ってるチームはロスタイムにパスをつないで時間を稼ぐことがありますよね。これと一緒です。今回の内容を頭に入れた上でムエタイを観戦するとまた違った観戦の仕方ができると思います。

最後まで読んで下さりありがとうございました。

3 years ago | [YT] | 29